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米粉・薄力粉・強力粉・片栗粉の違い|用途と仕上がりを比較

米粉・薄力粉・強力粉・片栗粉を4つの器に分けて比較した画像
米粉・薄力粉・強力粉・片栗粉の違いを、用途と仕上がりから比較します。

米粉・薄力粉・強力粉・片栗粉は、見た目は似ていますが、原料や得意な用途に違いがあります。

簡単に分けると、薄力粉はケーキやクッキーなどのお菓子や家庭料理、強力粉はパンなど弾力が必要な生地、片栗粉はとろみ付けや揚げ物の衣によく使われます。

米粉はお米、薄力粉と強力粉は小麦、片栗粉は現在一般に流通するものの多くがばれいしょでん粉を原料とします。

原料や性質が異なるため、同じ料理に使える場合でも、生地のまとまり方、とろみ、衣、味や食感は同じになりません。

この記事では、4種類の粉を同じ比較軸で整理し、作りたい料理や希望する仕上がりに合う粉を選べるように説明します。

米粉・薄力粉・強力粉・片栗粉の違いを一覧で比較

まずは、4種類の粉を「とろみをつけやすいか」と「生地をまとめやすいか」という2つの視点で整理します。個々の詳しい特徴を見る前に、全体の位置関係をつかんでおきましょう。

米粉・薄力粉・強力粉・片栗粉を、とろみの付けやすさと生地のまとめやすさで比較した図
図1 米粉・薄力粉・強力粉・片栗粉の違いを2つの視点で比較

図の上にある粉ほど、とろみ付けに使いやすく、右にある粉ほど、生地をまとめやすい傾向があります。

この図は一般的な用途を整理した目安です。米粉を含め、実際の性質や仕上がりは、商品、配合、水分量、調理方法によって変わります。

続いて、それぞれの原料、味や香り、仕上がりを詳しく見ていきます。

米粉

比較項目 内容
主な原料 お米。
主な性質 製粉方法、粉の細かさ、用途によって性質が異なります。
よく使われる料理・菓子 和菓子、料理、焼き菓子、用途別のパン・麺など。
一般的な仕上がり 配合によって、しっとり、軽い、ほろっとした食感、少しもちっとした口当たりなどに変わります。

薄力粉

比較項目 内容
主な原料 小麦。
主な性質 小麦粉の中では一般にたんぱく質が少なく、軽い生地に使われます。
よく使われる料理・菓子 ケーキ、クッキー、天ぷら、お好み焼きなど。
一般的な仕上がり やわらかく、軽い仕上がりの菓子や料理に使われます。

強力粉

比較項目 内容
主な原料 小麦。
主な性質 小麦粉の中では一般にたんぱく質が多く、弾力のある生地に使われます。
よく使われる料理・菓子 パン、ピザなど。
一般的な仕上がり 弾力やかみ応えのある生地に使われます。

片栗粉

比較項目 内容
主な原料 現在一般に流通するものは、主にばれいしょでん粉です。
主な性質 でん粉を主成分とし、とろみ付けや衣に使われます。
よく使われる料理・菓子 あんかけ、スープ、炒め物、から揚げなど。
一般的な仕上がり とろみを付けたり、揚げ物の衣にしっかりした歯応えを出したりする用途に使われます。

ここからは、原料と仕上がりの違いを詳しく見ていきます。

4種類の粉の原料を比較

粉の性質を理解するには、まず原料を確認することが大切です。米粉はお米、薄力粉と強力粉は小麦、片栗粉は主にばれいしょでん粉が原料です。同じような白い粉に見えても、原料や粉の性質には違いがあります。

米粉はお米を原料にした粉

米粉は、お米を粉にしたものの総称です。上新粉のように昔から和菓子などに使われてきた米粉のほか、パン、洋菓子、料理に使いやすいよう細かく製粉された米粉もあります。

米粉は、製粉方法や用途によって粉の細かさや性質が異なります。

薄力粉と強力粉は小麦粉の種類

薄力粉と強力粉は、どちらも小麦を原料にした小麦粉です。

一般に、薄力粉は強力粉よりたんぱく質が少なく、強力粉は多いため、生地の性質が異なります。

片栗粉は主にばれいしょでん粉

現在一般に流通している片栗粉の多くは、じゃがいもから作られるばれいしょでん粉です。

米粉や小麦粉とは異なり、でん粉を主成分とする食品です。

生地のまとまり方と弾力はどう違う?

生地をまとめる性質が特に表れやすいのは、パンや焼き菓子、粉ものなどです。

強力粉は、こねることで弾力のある生地を作りやすく、発酵によって生じた気体を生地の中に保ちやすいため、一般的な小麦パンに向いています。

薄力粉も水分を加えると生地がまとまりますが、強力粉ほど弾力を出す用途ではなく、ケーキ、クッキー、お好み焼きなどに使われます。

米粉は、小麦粉とは異なる仕組みで生地を作ります。商品によって粉の細かさや水分の吸い方が異なるため、同じ重量でも生地のやわらかさやまとまり方が変わります。

片栗粉は、生地をまとめてパンや焼き菓子を作る粉としては通常使われません。ただし、料理によっては、ほかの粉と組み合わせて食感を調整することがあります。

とろみ付けと衣ではどう違う?

とろみ付け

とろみ付けでは、片栗粉は透明感と粘りのあるあん、米粉は白っぽくなめらかなとろみ、薄力粉は油脂と合わせたルウやソースに向きます。強力粉は、とろみ付けの主な用途ではありません。

揚げ物の衣

揚げ物の衣では、薄力粉は天ぷらなどの軽いやわらかな衣、片栗粉はから揚げのしっかりした歯応え、米粉は薄く軽く歯切れのよい仕上がりに使われます。食感は、粉を付ける量、水分、油の温度、揚げ時間によっても変わります。

味・香り・食感はどう違う?

薄力粉と強力粉は、焼いたときに小麦の香ばしさを感じやすい粉です。薄力粉は、ふんわり、やわらかい、サクッとした仕上がりに使われます。強力粉は、弾力やかみ応えのある生地に向いています。

米粉は、使用する商品や料理によって、米由来のほのかな甘みを感じる場合があります。配合によって、しっとり、さらっと軽い、ほろっと崩れる、少しもちっとした口当たりなどに変わります。

片栗粉は、味や香りが比較的目立ちにくく、とろみや衣の食感を加える役割が中心です。

ただし、「米粉なら必ずもちもち」「片栗粉なら必ずザクザク」といった一律の仕上がりになるわけではありません。粉の種類、配合、水分、油脂、卵、加熱方法によって変わります。

粉の栄養成分を比較

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の数値をもとに、米粉・薄力粉・強力粉・片栗粉を可食部100g当たりで比較します。米粉は上新粉の値を使用しています。

栄養成分 上新粉 薄力粉1等 強力粉1等 片栗粉(じゃがいもでん粉)
エネルギー(kcal) 343 349 337 338
たんぱく質(g) 6.2 8.3 11.8 0.1
脂質(g) 0.9 1.5 1.5 0.1
炭水化物(g) 78.5 75.8 71.7 81.6
食物繊維総量(g) 0.6 2.5 2.7 (0)

4種類のエネルギーは337〜349kcalで、大きな差はありません。

たんぱく質は強力粉が11.8gと最も多く、薄力粉、上新粉の順です。片栗粉は、たんぱく質と脂質が少なく、炭水化物を主成分としています。

一方で、この数値だけから「最も健康的な粉」や「ダイエットに向く粉」を決めることはできません。実際に食べる量や、砂糖、油脂、卵など一緒に使う材料によって、料理やお菓子全体の栄養成分は変わります。

※片栗粉は、日本食品標準成分表の「じゃがいもでん粉」の値を使用しています。表の「(0)」は推定値です。米粉は上新粉の値を使用しています。この表の米粉は一般的な参考値であり、おかもと農園の「あいちのかおり米粉」の栄養成分値ではありません。製菓用米粉やパン用米粉、個別商品では数値が異なる場合があります。

粉は互いに代用できる?

米粉・薄力粉・強力粉・片栗粉は、一部の料理で用途が重なることがあります。ただし、原料や粉の構成が異なるため、どの組み合わせでも同じ分量で置き換えられるわけではありません。

薄力粉と米粉

揚げ物の打ち粉、とろみ付け、粉ものなどでは、薄力粉と米粉のどちらも使われることがあります。

一方、ケーキ、クッキー、スポンジなどでは、粉だけでなく、水分、卵、油脂、砂糖、混ぜ方、焼き時間も仕上がりに影響します。薄力粉用の配合で粉だけを米粉へ置き換えると、生地のまとまりやふくらみ、食感が変わる場合があります。

強力粉と米粉

パンやピザでは、生地をふくらませて形を保つ必要があります。強力粉と米粉では、生地を作る仕組みや水分の吸い方が異なるため、強力粉だけを同量の米粉へ置き換えても、同じふくらみや弾力にはなりません。

一般的な小麦パンには強力粉、米粉パンにはパン用として案内された米粉と、その米粉に合った作り方を使います。

片栗粉と米粉・薄力粉

とろみ付けや揚げ物の衣では、片栗粉、米粉、薄力粉の用途が重なる場合があります。

用途は重なりますが、必要量と仕上がりが異なるため、レシピの分量をそのまま置き換えず、少量ずつ調整します。

作りたいもの別の粉の選び方

粉によって変わるのは、作りやすさだけではありません。小麦の香ばしさを活かしたいのか、米由来のほのかな甘みを感じたいのか、軽い衣にしたいのか、しっかりしたとろみを付けたいのかによって、選ぶ粉が変わります。

最初に、作りたいもの別の選び方を図でまとめてみました。

ケーキ、パン、あんかけ、シチュー、揚げ物、粉もの別に米粉・薄力粉・強力粉・片栗粉の選び方を示した図
図2 作りたい料理やお菓子に合わせた粉の選び方

ケーキ・クッキー

一般的な小麦粉のレシピでは、薄力粉がよく使われます。薄力粉で作るケーキは、焼いた小麦の香りがあり、配合や混ぜ方によって、ふんわり、しっとりした生地に仕上げられます。クッキーでは、小麦の香ばしさと、サクッとした歯触りを出しやすいのが特徴です。

製菓用米粉で作る場合は、米由来のほのかな甘みを感じることがあります。米粉のケーキは、使用する商品や配合によって、しっとりした食感にも、さらっと軽い口当たりにもなります。米粉のクッキーや焼き菓子では、サクッとした歯触りや、口の中でほろっと崩れる食感が出る場合があります。

小麦の香ばしさや一般的な焼き菓子の食感を求める場合は薄力粉、米由来の味や米粉ならではの口当たりを楽しみたい場合は、製菓用米粉が選択肢になります。

パン・ピザ

一般的な小麦パンやピザには、強力粉がよく使われます。強力粉で作る生地は、小麦の香ばしさがあり、こねることで弾力が生まれます。焼き上がりは、ふくらみとかみ応えのある食感を出しやすくなります。

米粉パンは、小麦パンと同じ香りや弾力になるわけではありません。配合や米粉の性質によって、米由来のほのかな甘みや、しっとりした口当たり、少しもちっとした食感が出る場合があります。

小麦の香ばしさ、弾力、かみ応えを求める場合は強力粉が基本です。米粉パン特有の味や口当たりを楽しみたい場合は、パン用として案内された米粉を選びます。

あんかけ・透明なとろみ

あんかけや中華風のスープなど、透明感としっかりしたとろみを付けたい料理には、片栗粉がよく使われます。

片栗粉は味や香りが比較的目立ちにくいため、食材や調味料の味を活かしながら、つやと粘りを加えられます。

シチュー・ホワイトソース

米粉は、スープ、シチュー、ホワイトソースなどのとろみ付けに使えます。

米粉を使うと、片栗粉のような透明感のあるあんとは異なり、一般に白っぽく、なめらかな口当たりになります。

薄力粉は、油脂と合わせてルウを作り、ホワイトソースやシチューにとろみを付ける方法で使われます。

から揚げ・天ぷらの衣

揚げ物の衣には、薄力粉、片栗粉、米粉が使われますが、それぞれ食べたときの印象が異なります。

薄力粉の衣は、小麦の香ばしさがあり、水分量や配合によって、やわらかさのある衣や、天ぷららしい軽い衣を作れます。片栗粉をまぶしたから揚げは、表面にしっかりした衣が付きやすく、ザクッとした歯応えを出したい場合に向いています。

米粉の衣は、配合や付ける量によって、薄く軽い衣や、歯切れのよい食感に仕上がる場合があります。小麦の香ばしさと天ぷららしい衣を求める場合は薄力粉、しっかりした歯応えのから揚げにしたい場合は片栗粉、軽さや歯切れを重視したい場合は米粉が選択肢になります。

お好み焼き・チヂミ

薄力粉で作るお好み焼きやチヂミは、小麦の風味があり、生地がまとまりやすく、やわらかさと適度な弾力のある仕上がりになります。

米粉で作る場合は、小麦とは異なる、米由来のほのかな甘みを感じることがあります。配合によっては、中はしっとり、少しもちっとした口当たりになり、油を使って薄く焼く料理では、表面に歯切れのよさが出る場合もあります。

一方で、使用する米粉や水分量によっては、生地がゆるくなったり、まとまりにくくなったりします。米粉を使う場合は、薄力粉と同じ水分量を前提にせず、配合を調整します。

米粉の使い方を詳しく知りたい方へ

米粉の種類や、料理・お菓子への具体的な使い方、薄力粉から置き換える際の注意については、関連記事で詳しく紹介しています。

▶︎米粉の使い方|種類・料理・お菓子への活用と注意点

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参考文献

※参考文献のリンクは新しいタブで開きます。

情報発信元

おかもと農園の生産者・岡本尚子

生産者:岡本尚子。愛知県豊橋市石巻町で、おかもと農園の生産者代表として、エコファーマー認定などを受け、次郎柿やお米、季節の野菜づくりに取り組んでいます。

▶︎Instagramで農園の様子を見る

ライター:岡本 絢加。生産者の娘として、東京に暮らしながら、地元・愛知にある家業の情報発信を支援しています。