
柿の葉は、柿の葉寿司の包みとして使われるほか、乾燥させて煎じる健康茶として、昔から暮らしに取り入れられてきました。その一つが柿の葉茶です。
身近な飲み物として親しまれてきた一方、現在は、ビタミンCやポリフェノールの量、抗酸化作用、血圧や血糖との関係が研究されています。昔からの経験を、成分の働きや人が飲んだときの変化から確かめる段階に進んでいます。
では、どの成分が、体の中でどのように働くのでしょうか。この記事では、「どんな作用があるのか」「なぜその効能が期待されているのか」「人ではどこまで確認されているのか」の順に、できるだけわかりやすくお伝えします。
おかもと農園は、次郎柿とその葉を使った商品をつくっています。自分たちが扱うものを正しく伝えるため、期待されている働きだけでなく、研究で確認できた範囲まで調べました。
一般の食品について、病気の治療や予防効果を謳うことはできません。本記事は柿の葉や柿の葉茶の研究を紹介するもので、おかもと農園の商品固有の効能を保証するものではありません。
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柿の葉茶には、どんな効果・効能が期待されている?
柿の葉茶で注目されているのは、主に次のような働きです。
- ビタミンCやポリフェノールによる抗酸化作用
- ビタミンCによるコラーゲンの生成や鉄の吸収、免疫機能の維持
- プロアントシアニジンによる血管をゆるめる働き
- 柿の葉抽出物による糖質分解酵素の働きを抑える作用
こうした作用があるため、柿の葉茶は「美容や健康維持に役立つ」「血圧や食後血糖が気になる人に向く」と紹介されることがあります。
一方で、作用が確認された研究の多くは、試験管内、動物、濃縮した抽出物を使ったものです。家庭で淹れた柿の葉茶を飲むだけで同じ変化が起きるかは、作用ごとに人の研究まで見て判断する必要があります。
柿の葉茶の主な栄養・機能性成分
柿の葉茶には、ビタミンCと複数のポリフェノールが含まれます。主な成分と、効能が期待される理由を表にまとめました。
ここでよく似た言葉として出てくるのが、柿の渋味に関係する「カキタンニン」です。カキタンニンもポリフェノールの一種ですが、主に未熟な渋柿の果実や柿渋との関係で知られる成分です。葉を淹れて飲む柿の葉茶とは分けて考える必要があり、違いは後半で解説します。

| 成分 | どんな作用で知られるか | 柿の葉茶で分かっている範囲 |
|---|---|---|
| ビタミンC (アスコルビン酸) |
抗酸化作用を持ち、コラーゲンの生成、植物性食品に含まれる鉄の吸収、免疫機能にも関わる栄養素です。 | 柿の葉や柿の葉茶から検出されています。ただし、含有量は摘採時期、加工、保存、淹れ方によって変わります。 |
| ポリフェノール | 活性酸素などの働きを抑え、細胞や脂質が酸化するのを防ぐ抗酸化作用で知られる植物成分の総称です。 | 柿の葉茶の抽出液に、酸化反応を抑える働きがあることが試験で確認されています。市販品ごとの差が大きいことも分かっています。 |
| アストラガリン | ポリフェノールの一種で、柿の葉に含まれる抗酸化成分の一つとして調べられています。 | 市販の柿の葉茶や浸出液で量が測定されています。高い温度や長い抽出時間で溶け出す量が増える傾向があります。 |
| プロアントシアニジン | ポリフェノールの一種です。動物や細胞の研究では、血管内皮を介して血管をゆるめる作用が示されています。 | 血圧を支える成分として研究されています。人の小規模試験では血圧低下の傾向が見られました。 |
| タンニン・カテキンなど | 糖質を分解するα-アミラーゼやα-グルコシダーゼの働きを抑え、糖の吸収をゆるやかにする可能性が調べられています。 | 柿の葉抽出物を使った試験管内・動物研究や、小規模な人の試験があります。一般的な一杯でどの程度働くかは、まだ分かっていません。 |
市販の柿の葉茶22商品を比べた研究では、ビタミンC、アストラガリン、総ポリフェノール、酸化反応を抑える力の指標に大きな差がありました。品種だけでなく、収穫時期や乾燥、焙煎、保存の方法も成分量に関係します。
また、生葉、乾燥茶葉、お湯で淹れた飲用液では成分量の表し方が異なります。乾燥茶葉100g当たりの数値を、そのまま「一杯で摂れる量」へ換算することはできません。
抗酸化作用は、どのように健康と関係する?
作用:ビタミンCやポリフェノールには、活性酸素などの働きを抑え、細胞や脂質が酸化するのを防ぐ「抗酸化作用」があります。市販の柿の葉茶を調べた研究では、この力をDPPHという試験用の物質で測っています。
効能として注目される理由:体内では、活性酸素が増えすぎると細胞や脂質などが傷つく「酸化ストレス」につながります。そのため、抗酸化成分を含む食品は、健康維持や美容を意識する人から注目されています。
人で確認できた範囲:柿の葉茶の抽出液が、試験環境で酸化反応を抑えることは確認されています。ただし、その測定値だけで、飲んだ人の老化を防ぐ、肌を改善する、病気を予防するとまではいえません。ここで分かっているのは、まず「抗酸化に関わる成分と作用がある」という段階です。
美容や免疫との関係は?
作用:ビタミンCは、皮膚や血管などの材料になるコラーゲンの生成に必要な栄養素です。抗酸化作用を持ち、免疫機能の維持や植物性食品からの鉄の吸収にも関わります。
効能として注目される理由:この栄養上の働きから、ビタミンCを含む柿の葉茶は、美容や健康維持を意識する飲み物として紹介されてきました。
人で確認できた範囲:ビタミンC自体の働きは確立しています。一方、柿の葉茶一杯にどの程度含まれ、飲むことで肌や免疫にどの程度の変化が出るかは、商品や淹れ方によって異なります。「柿の葉茶を飲めば美肌になる」「免疫力が上がる」と断定できる段階ではありません。
柿の葉茶を飲むと血圧が下がる?
作用:柿の葉茶から取り出した水溶性プロアントシアニジンを使った動物・細胞研究では、血管の内側を覆う細胞(血管内皮)に働きかけ、血管をゆるめる合図となる一酸化窒素をつくる反応が示されました。高血圧モデルラットでは、投与後に上の血圧(収縮期血圧)が下がりました。
効能として注目される理由:血管がしなやかに広がると、血液が流れるときの抵抗が小さくなります。このため、プロアントシアニジンの血管拡張作用が、血圧を支える働きにつながる可能性が研究されています。
人で確認できた範囲:正常高値血圧または軽症高血圧の成人27名が柿の葉の熱水抽出物を8週間飲んだ試験では、乾燥葉8g相当の群で、2週、6週、8週後の上の血圧(収縮期血圧)が、成分を含まない比較用飲料を飲んだ群(プラセボ群)より低くなる傾向が見られました。研究者は血圧低下に役立つ可能性を示していますが、統計学的に明確な差には達していません。血管がどれくらい広がりやすいかを見る検査(FMD)にも、明確な変化はありませんでした。
つまり、血管をゆるめる作用の筋道と、人での血圧低下の兆しはあります。ただし、対象者が27名の小規模試験であり、日常の柿の葉茶で血圧が下がると断定するには研究が足りません。血圧の治療中の方は、薬の代わりにせず、医師や薬剤師へ相談してください。
食後血糖の上昇をゆるやかにする?
作用:食事に含まれるでんぷんや糖質は、α-アミラーゼやα-グルコシダーゼなどの酵素で分解され、吸収されやすい糖になります。柿の葉抽出物には、これらの酵素の働きを抑える作用が報告されています。糖質の分解がゆっくりになれば、食後血糖の上昇もゆるやかになると考えられます。
効能として注目される理由:この作用から、柿の葉は「食後血糖の急な上昇を抑える可能性がある素材」として研究されています。動物研究では、α-グルコシダーゼの働きを抑える作用や、糖を摂った後の血糖の変化、インスリンをつくる膵臓の細胞(β細胞)を保つ可能性などが報告されています。
人で確認できた範囲:20~50代の女性7名を対象にした小規模試験では、柿の葉抽出物と米飯を一緒に摂ったとき、血糖値の最高値がやや低くなる傾向が見られましたが、明確な差ではありませんでした。濃縮した飲料では、血糖上昇がゆるやかになり、一部の測定時点で差が見られています。
食後血糖を支える作用の候補はありますが、人の試験は人数が少なく、濃縮した抽出物を使っています。普段の柿の葉茶一杯に、同じ効能があるとまでは断定できません。
柿の葉茶はどう淹れる?濃く煮出すほどよい?
成分によって、溶け出しやすい条件が異なります。濃く長く煮出せば、すべての成分を効率よく摂れるわけではありません。
ある柿葉茶粉末を使った研究では、ビタミンCは60~100℃のお湯で3分以上、5℃の水では10分以上で溶け出しました。一方、60分間の煮沸や加圧抽出では、ビタミンCが少なくなりました。
柿の葉に含まれるポリフェノールの一つであるアストラガリンと、ポリフェノール全体の量を示す総ポリフェノールは、温度が高く、時間が長いほど多く抽出される傾向がありました。つまり、短時間でも出やすいビタミンCと、高温・長時間で増えやすいポリフェノールでは、向いている条件が少し違います。
日常では、成分量だけを追って長時間煮出すより、商品の表示を基準に、飲みやすい濃さで続けるのが現実的です。おかもと農園の次郎柿の葉茶は、茶葉3gに350mLの熱湯を注ぎ、5分蒸らす方法を商品ラベルで案内しています。

淹れ方のポイント
- まずは商品の表示どおりの茶葉量、湯量、時間で淹れる
- ビタミンCを意識しても、長時間ぐらぐら煮立て続けない
- 濃さは味の好みに合わせ、成分量だけを目的に極端に濃くしない
- 水出しにする場合も長時間常温に置かず、冷蔵庫で抽出する
- 淹れたお茶は早めに飲む
柿渋・カキタンニンと柿の葉茶は何が違う?
柿渋は、主に未熟な渋柿の果実を搾り、発酵・熟成させてつくる液体です。塗料、防水、防腐、染色などに利用されてきました。
カキタンニンは、柿の渋味に関係するポリフェノールです。柿渋の主要な成分として知られ、たんぱく質と結びつきやすい性質があります。
柿の葉茶は、柿の葉を乾燥・加工して淹れる飲み物です。葉にも複数のポリフェノールが含まれますが、柿渋そのものを飲んでいるわけではありません。果実由来のカキタンニンや柿渋で確認された作用を、そのまま柿の葉茶の効能として扱うこともできません。
おかもと農園の次郎柿の葉茶
おかもと農園の次郎柿の葉茶は、原材料に愛知県豊橋産の次郎柿の葉だけを使用し、お茶屋さんで2度焙煎しています。
味わいや詳しい飲み方は、「おかもと農園の次郎柿の葉茶とは?味わい・飲み方・おすすめのタイミング」で紹介しています。
柿の種類や旬、甘柿・渋柿の違いは、「柿とは?甘柿・渋柿の違い、主な種類と旬を農家が解説」をご覧ください。
よくある質問
柿の葉茶には、どんな効果・効能が期待されていますか?
抗酸化、コラーゲン生成などに関わるビタミンCの働き、血管をゆるめる作用、糖質分解酵素を抑える作用が研究されています。このため、美容や健康維持、血圧、食後血糖との関係で注目されています。人での研究はまだ小規模なため、病気の治療や予防効果までは断定できません。
柿の葉茶を飲むと血圧が下がりますか?
プロアントシアニジンには、血管内皮を介して血管をゆるめる作用が示されています。27名を対象とした人の試験でも、高用量群で収縮期血圧が低くなる傾向がありました。ただし、統計学的に明確な差ではなく、治療の代わりにはなりません。
柿の葉茶は食後血糖に役立ちますか?
柿の葉抽出物には、糖質を分解する酵素の働きを抑え、吸収をゆるやかにする可能性があります。小規模な人の試験でも食後血糖がゆるやかになる兆しはありますが、濃縮抽出物を使った結果であり、一般的な一杯の効能としては確定していません。
柿の葉茶は美容にいいですか?
ビタミンCは、コラーゲンの生成と抗酸化に関わる栄養素です。柿の葉茶が美容と結びつけられるのは、この働きが理由です。ただし、一杯当たりのビタミンC量は商品や淹れ方で変わるため、飲めば肌が改善するとまではいえません。
濃く煮出すほど成分を多く摂れますか?
ポリフェノールやアストラガリンは高温・長時間で多く抽出される傾向がありますが、ビタミンCは長時間の煮沸で減ることがあります。目的の成分によって条件が違うため、まずは商品の表示どおりに淹れてください。
柿渋やカキタンニンと同じものですか?
同じものではありません。柿渋は主に未熟な渋柿の果実からつくる液体で、カキタンニンはその渋味に関係するポリフェノールです。柿の葉茶は、葉を乾燥・加工して淹れる飲み物です。
まとめ
柿の葉茶には、ビタミンC、ポリフェノール、アストラガリン、プロアントシアニジンなどが含まれます。これらには、抗酸化、コラーゲン生成、血管をゆるめる働き、糖質を分解する酵素の働きを抑える作用があり、美容や健康維持、血圧、食後血糖との関係で注目されています。
血圧や食後血糖については人の試験もありますが、対象人数が少ない、濃縮抽出物を使っているなどの限界があります。期待される作用には理由がある一方、普段の一杯で病気を治療・予防できるとまでは確認されていない、というのが現在の研究状況です。
淹れ方は商品の表示を基本にしてください。おかもと農園の次郎柿の葉茶では、茶葉3gに350mLの熱湯を注ぎ、5分蒸らす方法を案内しています。
用語解説集
本文に出てくる成分名や研究用語を、短く説明します。
ポリフェノールとは
植物がつくる成分の総称です。多くの種類があり、抗酸化作用などが調べられています。
アストラガリンとは
ポリフェノールの一種です。柿の葉にも含まれ、抗酸化に関わる成分の一つとして測定されています。
総ポリフェノールとは
一つの成分名ではなく、試料に含まれるポリフェノール全体の量をまとめて示す測定値です。
プロアントシアニジンとは
ポリフェノールの一種です。柿の葉由来の成分では、血管をゆるめる働きとの関係が研究されています。
DPPHラジカル捕捉活性とは
DPPHという試験用の物質の反応を、どの程度抑えられるかを見る抗酸化力の指標です。人が飲んだときの変化を直接示すものではありません。
α-アミラーゼ・α-グルコシダーゼとは
食事の糖質を、体に吸収されやすい糖へ分ける消化酵素です。この働きが穏やかになると、糖の吸収もゆるやかになる可能性があります。
カキタンニンとは
柿の渋味に関係するポリフェノールです。未熟な渋柿の果実や柿渋でよく知られ、葉を淹れる柿の葉茶とは分けて考える必要があります。
参考文献
※参考文献のリンクは新しいタブで開きます。
- 「Vitamin C: Fact Sheet for Consumers」(米国国立衛生研究所・ODS、閲覧日:2026年9月17日)
- 「柿葉のビタミンCとポリフェノール成分との関係」(日本栄養・食糧学会誌、閲覧日:2026年9月17日)
- 「市販柿葉茶22種類の総アスコルビン酸含量、アストラガリン含量、ポリフェノール含量およびラジカル捕捉活性の差異」(日本家政学会誌、閲覧日:2026年9月17日)
- 「柿葉茶の浸出方法が抗酸化成分含量に及ぼす影響およびその浸出液の安定性」(日本食品保蔵科学会誌、閲覧日:2026年9月17日)
- “Antihypertensive and vasorelaxant effects of water-soluble proanthocyanidins from persimmon leaf tea in spontaneously hypertensive rats”(Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry、閲覧日:2026年9月17日)
- “Blood Pressure Lowering Efficacy and Safety of Hot Water Extract of Persimmon Leaves”(薬理と治療、閲覧日:2026年9月17日)
- 臨床研究情報ポータル UMIN000016432(厚生労働省、閲覧日:2026年9月17日)
- “Hypoglycemic effects of aqueous persimmon leaf extract in a murine model of diabetes”(Molecular Medicine Reports、閲覧日:2026年9月17日)
- 「柿の葉抽出物のヒト食後血糖上昇抑制作用」(日本家政学会大会研究発表要旨集、閲覧日:2026年9月17日)
- 「日本文化に根付いた柿渋の化学」(化学と教育、閲覧日:2026年9月17日)
- 「『柿の葉茶』の作り方や効能について知りたい。」(国立国会図書館レファレンス協同データベース、閲覧日:2026年9月17日)
- 「食品関連事業者の皆様からよくある質問」(消費者庁、閲覧日:2026年9月17日)